2009年9月27日日曜日

生徒さんに学ぶ、ニットを贅沢に愉しむ方法

こんにちは。
今日、スピンハウスポンタさんにて、生まれて初めて羊の脳みそを食したatricotです。
羊好きなのに!?とよく言われますが、牛や豚とおなじように、私たちが生きるために犠牲にされた命をできるだけ残さずに食べるというのがatricotの信条なのです。

味はというと…結構おいしかったです!なので、興奮して隣にいた方に、「脳みそおいしかったですよー!」と報告したのですが、どうもその脳みそが私の口の周りについていたらしく、
「(ビジュアル的に)それはアカン!」
と厳しく注意されました。よう考えたら、はたから見るとちょっとホラーですよね(笑)

まぁ、ポンタさんのお話はまた後ほどご報告させていただくとして。

今回は(今回も?)ニットについてのお話です。
ニットカフェに来ていただいてる方なんですが、知らない間に(!)帽子をたくさんつくられていました。
そして先日ずらっと見せていただいたんですが、なんかえらく感動してしまって。

ハット

↑の帽子はHPで、生徒さんの作品を紹介しているgalleryのページでご紹介させていただきました。
かぎ針の帽子です。かぎ針で円状に編むのはほぼ初めてだということで、編み方をちょこっとお教えしました。

そっからです。ちょっとの間、教室にお見えにならないなと思っていたのですが…
ハットハット
ハット
こんなにつくってはりました。

一見どれも一緒のかたちやん!と思ってしまいそうですが、かぶると若干ちがいます。
ハットハットハットハット
…ほんまや!ちょっとずつちがう(笑)

これらの作品もおなじく、HPのgalleryに載せたかったのですが、なんせ私はあまり教えてないので載せることもできず(笑)

で も、帽子好きな方には絶対に参考になると思うので、この場をお借りしてご紹介させていただきました♪ありがとうございます。ニット本には、やたら女の子っ ぽい帽子が多いので、左から2番目のちょっとボーイッシュなハットや、下の大人っぽいつば広帽とか、すごく新鮮でした。というか、売り物みたい!

ほんで、これらの帽子について、ひとつずつ説明していただきました。
「これはちょっと大きくなってしまって…」
「これはツバがくるんとなるようにして…」
「これは日よけようにツバを長くして、トップはちょっと小さめに…」
と か、いろいろ聞いたのですが、すみませんが全部覚えていません(汗)それぐらい1点1点細かいところまでこだわってつくられたということです。どれも完璧 なまでにサイズがぴったりで、シルエットもすごくキレイ。正直、私は帽子をここまでこだわってつくったことがないかも。いろんな意味で脱帽ですよっ!!

しかも何度も編み直しされてるんです!

確かに、本当に自分のサイズにあった帽子をつくるのは意外と難しいです。
とくに、このような伸縮性のないかぎ針編みならなおさら。
本のとおりにやったとしても、編み加減ひとつでサイズはかなりブレてしまうのです。

でもはたから見て、何度も編み直さないといけないくらい、サイズが全然ちがうとかそんなことはまったくなくって、毎度毎度「なんでー!?ちゃんとできてますやん!」
ってしょっちゅう言うてました(笑)

でも生徒さん曰く、「せっかくつくるのだから、ちゃんと使えるものにしたい。」と。

その気持ちもよくわかります。

でもニットって完成度をあげようと思ったら小物ひとつでも結構時間と労力がいるんですよね。
私は、仕事の大部分がニット関係なので、手はしょっちゅう動かしていますが、はたして、こんなに納得のいくまで編み直したりしてるか?って言われたら、答えはノーです。時間的にとか、物理的な理由もありますが、なんか精神面でもあまり余裕がないです。

そこで、あらためて、ニットって贅沢なもんなんやなぁと思いました。

ものをつくること全般にあてはまりますが、時間と労力が要りますよね。
でも時間と労力を惜しまずに(お金は惜しんでよし!)、自分のためだけのもの…自分のサイズ、自分の好きなデザイン、自分の好きな素材や色で、つくるのって本当に贅沢なことやなぁと思いますわ。
趣味をたしなむってこういうことなんやと。私はというと…かなり時間と労力を惜しみまくってるし、そもそも仕事以外で自分用につくることって必要に迫られない限りないです。

これを見るとわかりやすいです。
マルシェバッグマルシェバッグ

おなじ生徒さんの作品です。A4サイズがらくらく入る大きめのマルシェバッグです。
しかも色ちがいで2つも!

クラッチ かぎ針じつは前回私が、結婚式用につくったクラッチ(→)と
おなじ糸です。

はっきり言って、自分用はこのサイズが限界っ!

しかも中を開けたら、始末してない糸がピューと出てきます。
糸始末くらいしようよ!とつっこみつつ何度か使ってます(笑)
上のマルシェバッグとは完成度が雲泥の差ですね。



うーん、老後に期待やね。と言いつつ、余裕のないままおばあちゃんになりそう!

でも、そういういろんな人の贅沢な時間を共有できるってことのほうが、今は楽しい。だからニット教室ってやめられないんです。なんだかんだ言って、結局これが本音かな(笑)





*全然関係ないオマケ

羊

よそからもらってきた画像ですが、原チャに乗った羊。
ちょっとしんどそうです。運ばれるらしいのですが、人間はどうやって乗るんだろうか…
私の愛車シャリーでも運ぶことができるのだろうか…謎です。

2009年9月20日日曜日

花嫁さんのヘッドアクセをニットでつくってみました。

こんにちは~atricotです。

長年の友だちである、ヘアスタイリストのaikaが結婚することになり、そこで、aikaにヘッドアクセをつくってほしいとお願いされたところから、今回の話ははじまります。

結婚式のヘアアクセなんて、私にとっては非現実なもので(笑)、注意深く見たりすることもなく、ましてやお花とか装飾品をほとんどつくらないatricotにとっては、かなり苦手分野の域です。
なので、最初はかなり悩みました。

しかも!ようよう考えると大好きな親友の一生に一度の晴れ舞台にですよ。一生残ってしまうじゃないですか!失敗は許されません。

ただでさえ、プレッシャーに弱いatricotなのに、こんな大仕事でけへんわ~とかなり弱気になっていたのですが、当の本人はあっけらかんと

「私、atricotの作品は似合う自信あるから!」

と言うもんで、ほな、いっちょやってみるか!と、引き受けてしまったのです。

打ち合わせの間も、

「いや、うち花で好きなんは蓮ぐらいやで。もともとニットのお花とか全然好きちゃうねんで。」
「レース系とか乙女なんはつくれへんで。」

とか、いろいろ念を押してしまう、へっぴり腰のatricotでしたが、aikaとの付き合いは長いので、aikaにとってはそんなことは百も承知なんです。

ということで、白系で、というのと、こんな髪型に合わせたいという2つの条件をもとにつくりはじめました。

ニットで花をいろいろ試作してみましたが、どうしてもちゃっちいのです。かわいいのはかわいいけど、やっぱりサテン地でつくったような造花とか、レースとか、ビーズものには高級感は劣ります。
つかどうあがいてもかなわないし、aikaもきっとこんなんじゃ喜んでくれない。

ゼクシィにのってるヘアカタログを見せてもらいましたが、やっぱりティアラとか、ブーケとか、ビーズとか、そんなんばっかりですよ。ニットなんてほとんど見たことない。

やっぱりニットってあくまでカジュアルなものなんだなぁと、またもやニットの限界を感じてしまいました。

うまく表現できない自分に腹が立って、そのうちその矛先がなぜかaikaの方に行ったりして、「買えばいいやん。」と開き直ったり、「aikaのばかちん!」と責めてみたり(笑)あかんあかん。またひとり相撲だ。

どうにかして突破口を見つけなければ!

ということで、原点に戻る。「じゃあ、atricotの好みやこれまでつくってきたものをよ~く知ってるaikaが、なんでわざわざatricotに頼んでくれたのか。」

ということを深く考えてみました。お金を出せば、高級感があってかんじのいいものはいくらでもある。ましてや、これまで数えきれないほど結婚式のヘアセットをしてきたaikaが、あえてなんでatricotのニットを選んでくれたのか。

そうして、やっと堂々巡りから抜け出せて、再スタートが切れたわけです。

aika にはちょくちょく、即興でつくった小物をあげたりしてて、なぜかそれをいつもえらく気に入ってくれてる。大体、変わり糸で編んだポンポンが多いので、やっ ぱりポンポンをつけてあげたいと思いました。そして、プロのヘアスタイリストさんなんだから、自分で好きなようにアレンジできるようなものにもしようと。

ほんでできたのがこれ。
結婚式 髪飾りなんじゃこりゃ?ってかんじですよね(笑)一応、カチューシャとコサージュです。









結婚式 髪飾りコサージュにはちょっとパールビーズを入れて花嫁度をアップ。









一応気に入ってくれたものの、やっぱり結婚式当日まではドキドキでした。

でもやっぱプロやなぁと思ったのがですね、写真を見てもらったらわかると思いますが…

結婚式 髪飾り白いドレスにあわせて。
ヘアアクセというより、aikaがかわいい。
結婚式 髪飾り左から見たらこんなかんじ。
わっかをカチューシャにして使ってくれています♪

これだけでも、はぁよかった☆というかんじなのですが…

結婚式 髪飾り2次会で着てた赤いドレス(すごくかわいかった)にあわせても使ってくれてました。今度は、丸くして、シロツメクサの花かんむりみたい♪

ゼクシィに出てきそうなショットですね~。ちょっと後ろのカメラマンのもりー(友達)がジャマやけど(笑)










どっちもすごく似合ってました☆おかげさまで、半分以上はaikaの腕だと思うんですが…でもすごく好評でよかったです。
ほんと、気が張ってたんが、一気にほぐれてしまって、出てきた料理をたくさん食べてしまいました。(言い訳。)

ニットとは関係ないけど、この髪型もめっちゃかわいかったです☆
結婚式 髪型
まとめた髪をよく見ると…
結婚式 髪型リボンになってるんですね~!独創的且つ、すごくドレスに似合ってて、めちゃめちゃかわいかったです。
さすがプロ!









人 が大勢いるところが極度に苦手なatricotは、結婚式も行くまではなんだかちょっと憂鬱になってしまいます。お祝いしたい気持ちはじゅうぶんあるんだ けど、ドレスアップにも慣れてないから、それこそ何着ていこ?髪型どうしよ?靴は?っていろいろ考えるのが、ちょっと…ってかんじでした。
でも行ってみたら、そんな気持ちはどこへやらで、aikaが入場した途端、目頭が熱くなってしまいました。思えばすごく長いつきあいです。でも学校が一緒とかでもなく、接点ってほとんどなかったんだけどふとしたきっかけからものすごく仲良くなって…なんだか運命ですね。
atricotの数少ない同年代のお友だちです。

あらためておめでとう☆ほんでこれからもよろしくー!(←ここ強調!)




結婚式 髪飾り末永くお幸せに☆














*オマケ
クラッチ かぎ針前日の晩に、結婚式に持っていく用のバッグをつくろうと思ってたことをすっかり忘れてしまって、真夜中に急いでつくったクラッチです。
2時間くらいでできるやろと思っていたのですが、どっこい5時間かかりました。おかげで当日は寝不足気味でした。
金具に合わせるのを手抜きしてしまったため、ちょっと形がいびつです。そこだけもう一度直す予定。

結構入るのですごく使いやすかったです☆普段使いもいけるし、がんばったかいがあったってもんです。

カンタンなので、つくりたい人はニットカフェに来てください♪(とちゃっかり宣伝笑)

2009年9月13日日曜日

使いやすい編み物グッズとは~入れ物編

おばんですー。(と言うたことはほとんどないです。)atricotです。

前回はマニアックな羊洗いネタを書いて、やっぱり ちょっとマニアックすぎるのではないかと気にしていたんですが、なんと!意外にもいろんな方から感想メール、ツッコミメールをいただきましてすごく嬉し かったです。こんな長ったらしいブログでも読んでくれはる人がいはるんやなぁと思って、ジーンときました。ありがとうございます☆

えっと、今日の話題にうつる前に、ご報告したいことがございます☆
なんと妹のれーころさんにお子が生まれました♪atricotおばちゃんになってしまったというわけです。

もう、ほんと、超かわいいんですけど!

生まれる前にみんなに、「絶対おばバカになるでー」とか「絶対いろんなん編んだげるんやろなぁ」とか言われてましたが、まさにその通り♪前回の洗った羊もおちびさん用なのです。

だって、めちゃくちゃかわいいもんっ!男前やし~(って既におばバカ入ってます。)

生後5日目のおちびくん。


atricot生後5日目やのに、ちょっとおっさんっぽい、渋い顔をしてます。



atricotすべてがかわいすぎる!でも目元はちょっとatricotに似てるかも…ごめんよー。

というかんじで、既に写真を100枚くらい撮ってしまいました。はぁ~赤ちゃんってなんでこんなにかわいいんやろう。。。れーころ&パパになった山田君、おめでとう☆☆☆

というわけで、ここんとこ幸せいっぱいのatricot家でございます。

おちびさんの話をすると止まらなくなるので、今日はこのへんで。

今日はかねてからネタにしようと思っていた、ニット道具について。
ニットを続けてたら棒針とかかぎ針がどんどん増えてきますよね。
でも市販の棒針入れとかかぎ針入れって、おなじようなファンシーなキルティングのケースしかないのです。

せやし、みんなどうしたはんのやろう?と思って、教室中とかかわいいものを出してきはると、ついつい見てしまうのです。

ちなみにatricotの棒針入れはこれ。
ニット 棒針こ のブログにもちょくちょく登場するれーころのだんな山田君に7年ほど前につくってもらったものを愛用してます。これね、本当重宝してます!麻でつくってあ るので薄くて軽いんですがすごく丈夫で、ガサツなatricotが使っても破れたことがありません。ほんで持ち運びもしやすいです。






ニット 棒針くるくるまとめるとこんなにコンパクト☆

めんどくさがりなので、こうやってボタンをとめたことはほとんどないんですけどね(笑)

ニット かぎ針かぎ針入れは無印のペンケースです。最近とうとうペンケースが大破してしまったので、これは2代目。すぐ取り出せるので、なんだかんだこれが一番使いやすいです。
よく見るとなぜか目打ちが入ってたりとか、糸切りバサミのキャップもどっかいってて、うかつに手をいれるとケガします。





ニット 道具ほんでこれが教室に必ず持って行く、編み物道具入れ。

これがないと仕事になりません。


ニット 道具製図をするので、電卓、1/4定規、メジャー、シャーペン、セロテープ、その他もろもろのニット道具が入ってます。



毎回荷物が多いので、このatricot七つ道具だけでも、コンパクトにしたい!
そう思って、いろいろ試してみたんですが、最近このバッグに落ち着きました。
無印のバッグインバッグシリーズです。ちゃんとペン刺しもあるし、ポケットがたくさんあるから、どこにしまったか、忘れることはあっても、なくしたりしなくなりました。(基本やけど。)

ニット 道具最近お気に入りのオサレ雑貨です。
これはですねー、セロテープです。
見た目もドーナツみたいでかわいいんですが、セロテープを持ち歩くatricotにとっては、超画期的なデザインなのです。
テープの部分がカチッとドーナツのなかに入るので、テープが汚れることがないんですねっっ!今までは、ポイっとカバンに入れてたら、テープのとこに、糸はくっつくは、カバンはネチネチになるは、結構不便だったんです。
これ考えた人は天才!




そして、生徒さんの持ち物で、これは…!と思ったものを写真に撮らせていただきました。
ニット 道具これは棒針入れなんですが、なんと!全部余り糸でつくられたそうです。こういうエコは大好き☆
でもこれやったら、目のすき間から棒針出てきそうやん?と思いきや、意外と出てこなくって、すごく使いやすそうです♪








ニット 道具こ…これは懐かしい!

幼稚園に通ってたときにみんなが持ってたおしぼり入れじゃないですか!プーさんじゃなくて、なぜかこういう黄色いクマさんなんですよね(笑)お腹には「Howdy!」って。

これはちょうどかぎ針を入れるのにいいサイズなんですねー!

これを使ってらっしゃる生徒さんはすごくキレイでスタイリッシュなお姉さんなんですが、そのスタイリッシュなかばんからこれが出てきたときは、ちょっとおもしろかったです(笑)

ニット 道具ね?いいサイズでしょ?

私も欲しくなって、おしぼり入れを探したんですが、いまどき、おしぼり入れって売ってないんですかねー?どこ探してもないんですけど…

こうやってポコンってフタが外れるやつがあったあら、誰か教えてください。




というかんじで、日々使いやすさを追求しております。なので、最近はオサレ雑貨店に行くよりもアスクルのカタログを見てるほうが楽しいです(笑)

でもすぐに便利そう!と思ったものに飛びつくから、意外と散財してるんですけどねー。

こ ないだは、ワンタッチで着れる両面テープカートリッジみたいなもんを買ったんですが、そもそも両面テープってそんな使わへんやん!とか。あとは、引き出し 見たら、なぜか分度器が3枚もあったし(笑)分度器がいるほど難しい製図やってる?…やってへんよねぇ。

なんか、気づいたらいろんなもんが3セットずつあるんです。もしかして、もうボケがはじまってるのだろうか…でも、そんな心配も一瞬のことで、また気づいたら買ってるような気がします。

それはさておき、こうやって私たちは意識的にも無意識的にも使いよいものを探していると思うのです。
意 外と他の人が使いやすいと思ってやってることって、自分は知らなかったり気づかなかったりします。その逆もまた然りで、教室のたびに、生徒さんのいろんな アイデアに目からウロコになることが結構あります。例えば、編み方ひとつにしても。アイデアというより、やりやすいようにしていったら自然とこうなったと いうケースがほとんどなので、それがまたおもしろいんですねー。
まぁ、それこそかなりマニアックなネタだと思うんですが、ニットって個人プレイなので、あえて口に出すことってなかなかないのです。せやし、みなさんのそういったプチアイデアの引き出しを見るとゴロゴロとおもしろいものが出てきそうです!

まぁ、でもまずは自分から発信ということで、次回は使いやすい編み物グッズとは?~道具編をお話しようと思います。

2009年9月6日日曜日

羊とさつまいもの日々~羊を洗う編

今日はいつにもましてマニアックな話題です。

昨日、今日と久しぶりに羊を洗いました☆
ニットをしてる人はたくさんいるけど、そのなかで糸を紡いでる人ってどれくらいいるのでしょう?そしてさらに紡ぐ用の羊を洗ってる人ってめちゃくちゃ少ないんじゃないでしょうか?

そこまでしなくても…と思う方もたくさんいらっしゃるだろうし、その気持ちよくわかります(笑)

atricot自身は、糸紡ぎに関してはなんでみんなやらないんだろう?と思っていますが、刈りたての羊を洗うとこからはじめるって、まぁ、なんぼなんでもそこまではやんなくていいんじゃないかと(笑)

というわけで、そんな方にもちょっと「おっ!」と思ってもらえるように、めんどくさがり代表のatricotの目線から、羊を洗うとはどんなもんなんかを知っていただけたらと、こんなマニアックすぎる話題に挑戦しております。

ざっと説明すると、油や草やウンコのついた刈りたての状態の羊を、キレイにするという作業です。

atricotの秘かな楽しみは、これから洗う羊がオスかメスかというのをジャッジすること。
見た目ではわからないのですが、お湯に入れた瞬間にわかります。
単純に言うと、めちゃくちゃくさいのはオス。羊名人のポンタさんは、「オスは甘い匂いがするのよ♪」とおっしゃってますが、完全に羊病だと思います(失礼!)いやいや、これは「におい」でも「匂い」じゃなく「臭い」ですよっ(笑)
昨日洗ったポロワスはおそらくメスだと思いますが、今日のんは、100%オスです!めちゃくちゃくさかったわー!なんというか、メスもいわゆる動物のにおいがするのですが、オスはそれに加えて、ツンとするというか…思春期の男子の部室みたいな…

あ、これでは羊洗いに興味を持ってもらおうという狙いが逆効果ですね!

まぁ、羊のにおいは慣れます。大丈夫です。(笑)お湯に入れる瞬間だけだし。
この「メスか?オスか?」という賭けを楽しむのもひとつの醍醐味であります。
「くせー!しまった!オスかぁ~!」みたいな。



作業自体は言うほど難しくないんです。オケにお湯をはって、モノゲン入れて、何時間が放置するだけでだいぶキレイになります。


羊 洗うね。だいぶ土とか落ちます。

マニアックなことを言うと、この泥水の色が羊の種類によって全然違うんですね。これはシェットランドなので、シェットランド島の土ですかね!

他 には、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドと世界各国の土が見れるというわけです。(あんまりメリットになってない笑)この土を見て、この毛の主 (羊)がいる牧場に思いを馳せます。だって、今も世界中のどっかでぼんやり草を食べながら生きているわけですよ。妄想が好きな人にはオススメの瞬間。


羊 洗うほんで、つまみ洗いをします。
まだ、毛先に泥やゴミがついていたりするので、ひとつまみずつささっと洗います。



これが、羊のコンディションによって、ラクやったり大変やったりします。

今日やったシェットランドは、量が多くて大変でした。

つ か、やたらオーガニックとかうるさい人がいますが、そんなナチュラル志向の人は、糸の素材の書いたラベルを必死こいて見てるんやったら、これをいっぺん やってみたらええねん!と思います。ほな、この羊がカラダにええのんか悪いのんかわかるし。ラベルで素材の良し悪しを決める人ってほんと嫌いなんですわ。 ええ。判断材料のひとつとしてはとても有効だと思いますが、それ一辺倒だとねぇ。。。ってかんじです。

ウール100%っていっても羊の種 類で、毛質がだいぶ違います。しかもおなじ種類の羊でも全然違う。綿もせやと思うけど、オーガニックだからいいとか、なんでか説明できますかっての。どん なけ薬を使ってなくても、栄養が足りてなかったり、育てる環境が悪かったら毛質は弱くなりますから。

なので、毛質の良し悪しを見るのは、ラベルでなく触りたくるのが一番です。(毛を洗わなくても!)

まぁ、要はなにを信じるか信じないかの問題ですよね。。。

私 は一番信じていいもんは自分の手だと思います。失敗も多々ありますが、確実に経験として次につながります。「○○だから良い!」とか「○○だから悪い!」 とか触る前に決めちゃうとそこで考えたり感じたりするのがストップします。そうしちゃうとラクだけど、それは素材を触る私にとって一番危なっかしいことな のです。

とかいいつつ、今日のシェットランドは、あまりに量が多すぎて前半戦は「これ、誰かやってくれへんかなぁ?」とばっかり思っていました(笑)

しんどくなってきたのでおやつタイム。

いきなり団子今日は妹のれーころが買ってくれた「いきなり団子」です!
これ、めちゃくちゃ食べたかったんですよね~!

いきなり団子は熊本県の名物です。
ちょっと前に熊本県出身のamahoさんに教えてもらってから、あまりのおいしさにハマってしまいました。

いきなり団子なかにはでーんとさつまいもが!
しかもこれ、ふかしたさつまいもをそのまま輪切りにしたものが入っているのです。上の層にはさっぱりしたあんこが乗ってて、これがまた合うんですわー!
さつまいもそのものがおいしいから、こんな名作が生まれるんですね。

これ考えた人天才!


おいしいおやつを堪能して、また作業に戻ります。

あれだけ誰かに代わってほしいと思っていたつまみ洗いなんですが、これがまぁおもしろいことにランナーズハイみたいに、なってくるのです。羊洗いハイ?なんのこっちゃというかんじなんですが、幸いこの羊とは相性があうみたいで、手触りがしっくりきます。

これは、オーダーされたベストに使うものなんですが、この時点でもう、「これは名作ができる!」という確信が持てました。
糸にもなってないのに、そんなことを思えるのは稀なんですが、ちょっとこれは羊の神様が降りてきたんではないかというくらい、鮮明に出来上がり図が見えましたねー!
洗ったかいがあったってもんです。


羊 洗うつまみ洗いができたら、脱水して、こうやって干して、ひとまず完了。

写真では伝わりませんが、においもなくなり、油のベトつきもなく、生まれ変わったようフワフワです♪

この瞬間がやはり羊洗いの醍醐味なのでは?と思います。

機械で大量に洗ってしまうとこの風合いは絶対出ません。









どれだけ生まれ変わるかというと…
羊 チェビオットこれはチェビオットという羊なのですが、一番左の汚い毛が洗う前、真ん中は洗ったあと、一番右は糸にする直前の状態です。

なんと!どれもおなじ重さです。

きちゃないかたまりが、こんなに真っ白のフワフワになると、気持ちいいですよねー!



羊 ポロワスこれは昨日洗ったポロワス。とろけるようにフワフワです。


ものすごく柔らかいのでベビーにもオススメ♪







そんなかんじです。
これで羊を洗ってみよう!という方が増えたのかというと、まったくもって自信はないですが(笑)、なにが言いたいかというと、羊を洗うことによって、目の前の素材をよく見る、手に触れる機会が増えるということです。

作業だけ見ると、はっきり言ってほんとめんどくさいし、できるなら誰かにやってもらいたい。
なんでもいちからやらないと気がすまないというタチでもないし、いい素材があればそれでいい。
極端な話、化繊でもいいんです。自分がつくりたいものに合うのであれば。
だから、「オスかメスかごっこ」とか、その作業にエンターテイメント性をつけなければ、楽しめないのも事実。

でもこれだけ羊に触ってると、やっぱり目の前の羊が持つ個性が手から伝わってきます。

ラベルには、ウール100%とだけ書いていても、手から伝わる感覚はいろいろ。

弾力があったり、ヌメりがあったり、つるんとしてたり、ごわっとしてたり…

まぁ、こう言っちゃなんですが、結局のところ、わざわざ毛を洗わなくてもそんな風に素材を肌で感じることができたらオッケーなのではとも思います。
確かに洗って紡いだ糸の方が、atricotは好きです。でも、またそれが絶対的に良いかというのは、また別問題。それよりも、目の前の素材を素直に見てあげるほうが、大切なんじゃないかなぁと思います。

atricotはもともと素材に対してとても鈍感で、想像力もそんなにないんです。そんなatricotだからこそ、ニットの神様がよこしてきた使いが、羊だったのかもしれませんねぇ。