2009年9月6日日曜日

羊とさつまいもの日々~羊を洗う編

今日はいつにもましてマニアックな話題です。

昨日、今日と久しぶりに羊を洗いました☆
ニットをしてる人はたくさんいるけど、そのなかで糸を紡いでる人ってどれくらいいるのでしょう?そしてさらに紡ぐ用の羊を洗ってる人ってめちゃくちゃ少ないんじゃないでしょうか?

そこまでしなくても…と思う方もたくさんいらっしゃるだろうし、その気持ちよくわかります(笑)

atricot自身は、糸紡ぎに関してはなんでみんなやらないんだろう?と思っていますが、刈りたての羊を洗うとこからはじめるって、まぁ、なんぼなんでもそこまではやんなくていいんじゃないかと(笑)

というわけで、そんな方にもちょっと「おっ!」と思ってもらえるように、めんどくさがり代表のatricotの目線から、羊を洗うとはどんなもんなんかを知っていただけたらと、こんなマニアックすぎる話題に挑戦しております。

ざっと説明すると、油や草やウンコのついた刈りたての状態の羊を、キレイにするという作業です。

atricotの秘かな楽しみは、これから洗う羊がオスかメスかというのをジャッジすること。
見た目ではわからないのですが、お湯に入れた瞬間にわかります。
単純に言うと、めちゃくちゃくさいのはオス。羊名人のポンタさんは、「オスは甘い匂いがするのよ♪」とおっしゃってますが、完全に羊病だと思います(失礼!)いやいや、これは「におい」でも「匂い」じゃなく「臭い」ですよっ(笑)
昨日洗ったポロワスはおそらくメスだと思いますが、今日のんは、100%オスです!めちゃくちゃくさかったわー!なんというか、メスもいわゆる動物のにおいがするのですが、オスはそれに加えて、ツンとするというか…思春期の男子の部室みたいな…

あ、これでは羊洗いに興味を持ってもらおうという狙いが逆効果ですね!

まぁ、羊のにおいは慣れます。大丈夫です。(笑)お湯に入れる瞬間だけだし。
この「メスか?オスか?」という賭けを楽しむのもひとつの醍醐味であります。
「くせー!しまった!オスかぁ~!」みたいな。



作業自体は言うほど難しくないんです。オケにお湯をはって、モノゲン入れて、何時間が放置するだけでだいぶキレイになります。


羊 洗うね。だいぶ土とか落ちます。

マニアックなことを言うと、この泥水の色が羊の種類によって全然違うんですね。これはシェットランドなので、シェットランド島の土ですかね!

他 には、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドと世界各国の土が見れるというわけです。(あんまりメリットになってない笑)この土を見て、この毛の主 (羊)がいる牧場に思いを馳せます。だって、今も世界中のどっかでぼんやり草を食べながら生きているわけですよ。妄想が好きな人にはオススメの瞬間。


羊 洗うほんで、つまみ洗いをします。
まだ、毛先に泥やゴミがついていたりするので、ひとつまみずつささっと洗います。



これが、羊のコンディションによって、ラクやったり大変やったりします。

今日やったシェットランドは、量が多くて大変でした。

つ か、やたらオーガニックとかうるさい人がいますが、そんなナチュラル志向の人は、糸の素材の書いたラベルを必死こいて見てるんやったら、これをいっぺん やってみたらええねん!と思います。ほな、この羊がカラダにええのんか悪いのんかわかるし。ラベルで素材の良し悪しを決める人ってほんと嫌いなんですわ。 ええ。判断材料のひとつとしてはとても有効だと思いますが、それ一辺倒だとねぇ。。。ってかんじです。

ウール100%っていっても羊の種 類で、毛質がだいぶ違います。しかもおなじ種類の羊でも全然違う。綿もせやと思うけど、オーガニックだからいいとか、なんでか説明できますかっての。どん なけ薬を使ってなくても、栄養が足りてなかったり、育てる環境が悪かったら毛質は弱くなりますから。

なので、毛質の良し悪しを見るのは、ラベルでなく触りたくるのが一番です。(毛を洗わなくても!)

まぁ、要はなにを信じるか信じないかの問題ですよね。。。

私 は一番信じていいもんは自分の手だと思います。失敗も多々ありますが、確実に経験として次につながります。「○○だから良い!」とか「○○だから悪い!」 とか触る前に決めちゃうとそこで考えたり感じたりするのがストップします。そうしちゃうとラクだけど、それは素材を触る私にとって一番危なっかしいことな のです。

とかいいつつ、今日のシェットランドは、あまりに量が多すぎて前半戦は「これ、誰かやってくれへんかなぁ?」とばっかり思っていました(笑)

しんどくなってきたのでおやつタイム。

いきなり団子今日は妹のれーころが買ってくれた「いきなり団子」です!
これ、めちゃくちゃ食べたかったんですよね~!

いきなり団子は熊本県の名物です。
ちょっと前に熊本県出身のamahoさんに教えてもらってから、あまりのおいしさにハマってしまいました。

いきなり団子なかにはでーんとさつまいもが!
しかもこれ、ふかしたさつまいもをそのまま輪切りにしたものが入っているのです。上の層にはさっぱりしたあんこが乗ってて、これがまた合うんですわー!
さつまいもそのものがおいしいから、こんな名作が生まれるんですね。

これ考えた人天才!


おいしいおやつを堪能して、また作業に戻ります。

あれだけ誰かに代わってほしいと思っていたつまみ洗いなんですが、これがまぁおもしろいことにランナーズハイみたいに、なってくるのです。羊洗いハイ?なんのこっちゃというかんじなんですが、幸いこの羊とは相性があうみたいで、手触りがしっくりきます。

これは、オーダーされたベストに使うものなんですが、この時点でもう、「これは名作ができる!」という確信が持てました。
糸にもなってないのに、そんなことを思えるのは稀なんですが、ちょっとこれは羊の神様が降りてきたんではないかというくらい、鮮明に出来上がり図が見えましたねー!
洗ったかいがあったってもんです。


羊 洗うつまみ洗いができたら、脱水して、こうやって干して、ひとまず完了。

写真では伝わりませんが、においもなくなり、油のベトつきもなく、生まれ変わったようフワフワです♪

この瞬間がやはり羊洗いの醍醐味なのでは?と思います。

機械で大量に洗ってしまうとこの風合いは絶対出ません。









どれだけ生まれ変わるかというと…
羊 チェビオットこれはチェビオットという羊なのですが、一番左の汚い毛が洗う前、真ん中は洗ったあと、一番右は糸にする直前の状態です。

なんと!どれもおなじ重さです。

きちゃないかたまりが、こんなに真っ白のフワフワになると、気持ちいいですよねー!



羊 ポロワスこれは昨日洗ったポロワス。とろけるようにフワフワです。


ものすごく柔らかいのでベビーにもオススメ♪







そんなかんじです。
これで羊を洗ってみよう!という方が増えたのかというと、まったくもって自信はないですが(笑)、なにが言いたいかというと、羊を洗うことによって、目の前の素材をよく見る、手に触れる機会が増えるということです。

作業だけ見ると、はっきり言ってほんとめんどくさいし、できるなら誰かにやってもらいたい。
なんでもいちからやらないと気がすまないというタチでもないし、いい素材があればそれでいい。
極端な話、化繊でもいいんです。自分がつくりたいものに合うのであれば。
だから、「オスかメスかごっこ」とか、その作業にエンターテイメント性をつけなければ、楽しめないのも事実。

でもこれだけ羊に触ってると、やっぱり目の前の羊が持つ個性が手から伝わってきます。

ラベルには、ウール100%とだけ書いていても、手から伝わる感覚はいろいろ。

弾力があったり、ヌメりがあったり、つるんとしてたり、ごわっとしてたり…

まぁ、こう言っちゃなんですが、結局のところ、わざわざ毛を洗わなくてもそんな風に素材を肌で感じることができたらオッケーなのではとも思います。
確かに洗って紡いだ糸の方が、atricotは好きです。でも、またそれが絶対的に良いかというのは、また別問題。それよりも、目の前の素材を素直に見てあげるほうが、大切なんじゃないかなぁと思います。

atricotはもともと素材に対してとても鈍感で、想像力もそんなにないんです。そんなatricotだからこそ、ニットの神様がよこしてきた使いが、羊だったのかもしれませんねぇ。

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