2009年7月5日日曜日

ほんわか映画「マルタのやさしい刺繍」の話から思う、キレイすぎるもの、そうでないもの。

こんにちは!atricotです。

今回は、ニットの編みこみについて書こうと思っていたのですが、あまりにも素敵な映画に出会ってしまったので、そっちを書くことにしました。

「マルタのやさしい刺繍」



スイスの映画です。
一見、ハズレの多い単館系オサレ映画かなと、ひねくれたatricotは思ったのですが、いやはや、もう素晴らしいの一言!
っていっても、なんのことかさっぱりなので、ちょっとご説明しますね。

主人公のマルタは80歳のおばあちゃんです。最愛のだんなをなくして、すっかり気を落としてしまい、ハリのない生活を送っていたのですが、ふとしたきっかけで、長年も前に心の奥にしまっていた夢を叶えようと奮闘するお話です。

む かし、村の人にはナイショで下着づくりをやってた彼女の夢は、キレイな刺繍をほどこした形のいいランジェリーのお店を開くこと。小さく閉鎖的な村にラン ジェリーのお店を開くなんてと、周囲の人からは、猛反発をうけて、なんべんもなんべんもいやがらせをうけるのですが、このいやがらせが半端ないのです。も のすごい偏見の目で見られちゃう。

あぁ、小さい村ってほんまにこんなかんじなんやろなぁと、そのいやがらせがやけにリアリティーがあります。そこでマルタも気を落としていまって、もう閉めようかなぁとなんべんも思うのですが、友人の支えをうけて、物語は、どんどんおもしろい展開になっていきます。

どうしても筋書きは読めてしまうのですが、そんなことが気にならなくなるくらい、マルタとその周辺の人それぞれの話がしっかり絡みあっていて、ぐいぐいひきこまれていきました!

というのも、出てくるすべての俳優さんの演技が素晴らしい!最初の5分で、登場人物がそれぞれどんな人なんかということが、すぐ伝わります。
普段は外国のおばあちゃんがいっぱい出てくると、みんな似ていて誰が誰かわからんのですが、みんな演技がうますぎるから、そんなことなく観れるんです。

演 出や、セリフも細部までこだわってはるんやろうなぁと思うのですが、それでいてものすごく自然体なんです。きっとおばあちゃんおじいちゃん特有のチャーミ ングなところ、頑固なところって、世界共通なんですね(笑)みんなそれぞれの個性があるんだけど、ちゃんとチャーミング♪
そんなこんなで1秒1秒見逃せません。これは、やはり年齢を重ねて生まれる演技力の豊かさなのでしょうか。いやはや、素晴らしい!となんべんも言ってますが、そうとしか言いようがありません。

久々に、片手間で観るのをやめましたよー!


新しいことをはじめようとする人々の奮闘記がテーマの映画はくさるほどあります。

新しいことをしよう!→周囲の反対と偏見など壁にぶちあたる。→信念をつらぬく→やったね大成功!

そうくくっちゃうと、ほんと、くさるほどあります。でも映画は夢を見れるものだと思うので、これってどの時代も永遠のテーマなんだろうと思います。

そのなかで、ああ観てよかったな!と思うものとそうじゃないものってなんだろうと、あらためて考えました。

やっぱり、その大筋以外の部分での人々の絡まりあいと時代の背景が、細かく描かれてることだと思います。
マルタ~に出てくるほとんどの人物も、その人が人生のなかでなにを一番大切にしてきたかということが、明確に伝わります。

それがね、キレイすぎないことです。人間だからこそ、やましい部分もあるし、ヘタレな部分もある。
だから、とんでもない悪者役も最後はちょっとかわいくなる(笑)ほんとうのところ、人間の世界って思ってる以上に善悪なんてはっきりしてないんやと思います。

以前、ある人に私のスピナッツの原稿を「キレイごとを並べている!」と酷評されたことがありました。
私自身は、ただただ伝えたいことをアツく語った自信作だったので、びっくりしました。
ものづくりのことをよくわかっている人が読むと、それを見抜かれてしまうぞと、その方はおっしゃってました。

最初は、まったくもって腑に落ちなかったのですが、よくよく考えると、伝えたい気持ちが先にいきすぎちゃって、そのなかでのヤな思い出とか、自分的に言いたくないこととか、マイナス面を意識的にはぶいてしまったのだと思います。

私の悪いクセです。小学生のときの作文からそうだったと思う。
最初の頃は、バンバン入選してたのに、だんだん、これは先生に誉められるだろうなと思うものほど、苦笑いされてました。ああ、理由がやっと今になってわかったような…って遅すぎるけどっ!

そうなんです。そうしてキレイな部分だけでできてしまったひとつの物語は、急にリアリティーを失ってしまいます。

おなじような筋書きでも「なんちゅうクソ映画や!」と思うものって、キレイすぎるからかもしれません。
わかったようなふりだけしてたら、人に感動なんか与えられませんよね…

それが、いざ我が身になるとなんと難しいことか!

だから、こういう気づきになるような映画って、私にとって必要なエッセンスなのです。

あと、マルタを見てたら、ロックだなぁ~!と思いました。
80歳のキュートなおばあちゃんに、ロックという言葉は似合わないかもしれませんが、atricot的には100%のロックだと思います。
ただね、それがうまく説明できないんです。

最近、自分の好きなもの、惹かれるものってなんだろう?ということをよく考えておりますが、結局むかしっから、それがロックしてるかしてないかなんだとうすうすわかってきました。

でも感じることしかできなくて、言葉にできないんです。

なので、それがうまく表現できることが、今後の課題のひとつです。

…って、一番いいのは、それをニットで表現できることなんですけどねっ!

でわでわ、そんなわけで制作に戻ります~!

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